図解Flashcards Deluxe〜Short Term Goal / Leitner学習モードとSpaced Repetition学習モード
Flashcards Deluxeにはカードを順番通りまたはランダムに表示させて学習する方法の他に、より効率的な学習するための、Short Term Goal / Leitner(短期目標)学習モードとSpaced Repetition(インターバル反復)学習モードという特別なプログラムが用意されています。
Short Term Goal / Leitnerは定期試験前の詰め込みに、Spaced Repetitionは入学試験、資格試験、語学の習得など長期記憶に定着させたい時に適した学習方法です。
設定方法と使い方について解説を提供します。
設定方法
学習モードはそれぞれのカードデッキ毎、デッキオプションから指定できます。
一番上のCard Order(カードの表示順番)を選び、Short Term Goal / LeitnerやSpaced Repetitionを選びます。
なお、By Deckをタップすると、他のデッキの設定の一覧が表示され、変更することもできます。
解説
OrangeOrApple社のサイトでの記述をもとに、この2つの学習モードについて解説します。イタリックは私のコメントです。
概要
Short Term Goal 短期目標モード
間違えた問題をより多く出題する学習モードです。1,2週間後に試験があるなど、短期に集中して覚えなくてはいけない場合に適しています。
この学習モードのもう一つの利点は、学習の進捗状況が分かりやすく、学習ペースを管理しやすいということです。streakという用語は「連続して正解した回数」を表しています。これはLeitnerに基づいたアルゴリズムになっています。
Spaced Repetition インターバル反復モード
これは長期にわたって情報を保持しておくためにぴったりな学習モードです。ほとんどの語学学習者はこの方法を使うでしょう。学習ペースはアプリによって決められます。アプリはそれぞれの学習日に何を学習するべきかあなたに指示することによって、あなたの長期的な目標到達を手助けします。
“new"カードは学習中の10枚のカードです。あるnewカードに対して一定の学習成果(3回連続正解、あるいは1回の「強い正解」)が出ると、このカードは”active”になります。(訳注:初期設定では上にスワイプで「強い正解」になります。)
“active”になったカードの出題はあるインターバルを空けて行われるようになります。ここで正解すると、インターバルが拡がり、間違えるとインターバルが狭くなります。
カードには4つのステータスがあります。
- Pending – 10枚のnewカードになる前の状態(全てのカードがここから始まります)。
- New – 10枚の”new”デッキに入った状態。ここのカードが学習され、activeになると、別のカードがpendingからnewに補充されます。
- Active – インターバルを持って、出題される。
- Exclude – 習得され、学習サイクルから外れたカード。
3つのサブ学習モードがあります。(アプリによって自動的に選ばれるか、自分で選びます)
- New – このモードでは10枚のnewカードのみを学習します。
- Due – activeカードのうち、出題すべき学習間隔になったものが出題されます。これがSpaced Repetitionの最も重要な部分です。それぞれのカードを適切な時期に学習することにより、学習不足でも学習過剰でもない効率的な学習が継続されます。
- Active (Leitner) – 全てのカードが出題されなくなったときでも、Leitnerモードでactiveカードを効率よく学習を続ける事ができます。
詳細
Short Term Goal / Leitner 短期集中モード
それぞれのカードにはstreak値があり、これは何回連続して正解したかの値です。「強く正解」と答えた場合は、streak値は1ではなく2増えます。不正解になった場合はstreak値は0にリセットされます。
初めて正解したとき、そのカードは次のラウンドをスキップします。2回連続正解すると、 そのカードは 次の2つのラウンドをスキップします。3回、4回、5回...連続正解で3つ、4つ、5つ...のラウンドをスキップとなります。不正解の場合はそのカードは次のラウンドに現れます。
習熟度はラウンド毎に測定され、それは現在の学習セットにわたって受け継がれますので、あなたは1日1ラウンド、2ラウンドやるというようにラウンド数によって学習ペースを管理することができます。
(試験が近いときは何ラウンドもやるということですね)
Spaced Repetition の基礎
このモードはLeitnerモードと似ていますが、カードはラウンド数ではなく、ある時間間隔に基づいて現れるという点が異なっています。このモードはLeitnerモードよりもより効果的で、特に多くの事柄を長期記憶するのに向いています。ここで使われるロジックはSuperMemoプログラムやAnkiプログラムに似ています。
基本的な概念は、各々のカードは時間によって測られるインターバルを持っているということです。あるカードがテストされたとき、あなたの答えは、不正解、(迷って)正解、(自信を持って)正解=強く正解の3つのうちいずれかです。正解することによって、そのカードのインターバルは大きくなりますが、それによって、あなたの労力を間違ったカードに回せるようになります。このモードの大きな利点の一つは、学習不足と学習過剰の両方の問題を減らすことができることです。アプリはあなたに最小努力で最大の記憶を導くよう、自動的にいつ、何をテストするかを決定するからです。
Spaced Repetition の実践
ある学習カードデッキを始めるとき、まず10枚のカードが”new”セットになり、あなたはこの10枚に集中することになります。3回連続して正解したとき、あるいは1回「強く正解」したとき、そのカードは”active”になりインターバルモードに入ります。このようにした理由は、新しい見知らぬカードを学習するのが一番大変だからです。1枚のカードが10枚のnewカードからからactiveに移ると、pendingのカード一枚がそれにとって代わります。
それぞれのカードは4つのステータス(Pending, New, Active, Exclude)のうちのどれかになっています。
全てのカードはpending状態から始まります。これらのカードは10枚からなるnewデッキになるのを待っており、テストはされません。場所が空けば、pendingカードはnewになります。newカードが3回連続正解された時、そのカードはactiveになります。あなたはどのカードもexclude(除外)状態にすることができます。excludeになったカードはテストから完全に除かれます。
Activeカードはdueとnon-dueのどちらかの状態をとります。Due(満期)カードというのは、現在、そのカードのインターバルを超えた時間が経っているカードです。あるカードデッキを学習するとき、dueになっているカードがあると、それらが優先されてすぐにテストが行われます。dueになっているカードが無く、newカードとnon-dueなactiveカードがある場合、どちらを優先するかはあなたに選択権があります。推奨されるのは、newカードを学習することです。activeカードがdueになって適切な時間に再びテストされれば、過剰学習を最小限にすることができるからです。non-dueのactiveカードを練習するときは、Leitnerの方法が使われます。
カード学習をしている時、アプリ画面の一番下に、(1) 16h 2 3のような表示が見られます。
最初の括弧内の番号はそのカードの現在のインターバルを日(12時間〜36時間が1日)で表したものです。次の3つの数字はテストの結果(不正解、正解、強く正解)でカードのインターバルがいくつになるかを示しています。この例では、あなたがもし不正解を出すと、インターバルは16hになります。正解だと、2日後にテストされます。
あなたは解答をする時、解答結果によってインターバルがどう変わるかを考慮しても良いでしょう。もし、あるカードの出題頻度が高すぎると思ったら、もっと気軽に「強く正解」と答えて下さい。たくさんのカードを忘れていくと感じたら、「不正解」や(強いではなく)「正解」と答えるようにして下さい。
注意点:
- newカードに対して、「強く正解」と答えると、そのカードは直ちにactiveになります。
- 統計は基本的にnewカードにはつけられませんので、「不正解」と答えるのを恥ずかしがらないで下さい。
- activeカードを間違えると、streakは0になり、インターバルが満期になっていなくても直ちにdue状態となります。