小保方さんだけじゃなかった!?博士論文の元ネタから検索したら、驚きの結果が出た。
最近では高学年ではレポートはワープロ原稿で提出させています。時には、すごく立派な事が書いてあるけど、他の部分とは文体も内容も全然違う、というレポートに出くわします。そういう時は、Google先生に尋ねてみます。引用元はちゃんと示しましょう。
本当かどうかGoogle先生に聞いてみることにしました。
元のNIHのサイトはこれだと思われます。
最初のページの２段落目です。Stem Cellとは何かということが書いてあります。
Stem cells are distinguished from other cell types by two important characteristics. First, they are unspecialized cells capable of renewing themselves through cell division, sometimes after long periods of inactivity. Second, under certain physiologic or experimental conditions, they can be induced to become tissue- or organ-specific cells with special functions. In some organs, such as the gut and bone marrow, stem cells regularly divide to repair and replace worn out or damaged tissues. In other organs, however, such as the pancreas and the heart, stem cells only divide under special conditions.
僕の訳です。
幹細胞は二つの重要な特質によって他の細胞タイプと区別されます。ひとつめに、それらは細胞分裂を通じてそれら自身を新生することができる、特殊化されていない細胞であるということです。長い間の沈黙を経ることもあります。ふたつめは、ある一定の生理的または実験的条件下で、それらは特別な機能を持つ組織-または器官-特異的な細胞になることが誘導され得ることです。腸や骨髄などの器官では、幹細胞は定期的に細胞分裂し、古くなった、あるいは傷ついた組織を修復したり置換したりします。しかし、すい臓や心臓のような器官では幹細胞は特別な条件下でしか分裂しません。
一般向けのコンテンツだと思われるので「〜です」体で訳してみました。無駄のない、平易な文章でとても良い説明だと感じました。一度これを読んでしまうと、他の書き方はしにくくなるかもしれません。
内容としても、専門家としては常識的で、原典を示すというのは難しいと思われます。
ただ、専門用語や格調高い語彙を使っていないのは論文的な文章と違うなと感じます。
レポートのチェックと同じようにこの英文をそのままググってみました。件の博士論文は見つかるのでしょうか？
1ページ目です。一番上は元のNIHのサイトですが、全く同じ文章を含む別のサイトがズラーッと並びました。
びっくりしましたが、調べた限り、NIHサイトからの出典ということを明記していました。
10ページを見てみました。誰もクリックしてくれない検索順位です。
まだ、元の英文そのまま、一字一句同じです。
論文のpdfをちょっと確認してみると、
あれれ？出典や引用元が見あたらないぞお。
危険な香りがする学術論文や博士論文がたくさん見つかります。
18ページ目。
ついにGoogle先生も音を上げました。
あまりにも多すぎる。
こういうことではないのかなあ。
NIHの文章を読んだ人が、良い説明だと思って、引用し、出典を示したwebサイトを発表(検索2ページ目くらい）→それを読んだ人が、出典を見逃して引用したwebサイトを発表。この時点で文章が野良になる→野良を見つけた人が自分の論文に入れてしまう。
なお、博士論文はObokata + さっきの英文で見つかりました。http://stapcells.up.seesaa.net/image/Background.pdf
