最初のブログ、「ウィスコンシン州マジソンから」

このブログは4つ目のブログになります。

 

最初は2006年、アメリカでの留学生活を報告したブログ、「ウィスコンシン州マジソンから」でした。

 

在外研究制度と呼ばれる教員の海外留学は、企業の方の海外勤務と異なり、相手先大学との交渉、航空券の手配から子供の現地学校入学まで全て自分でしなくてはいけません。

何をして良いかさっぱりわからない中、大きな助けになったのは、現地在住の方のブログでした。

 

後から来る人の助けになれたらと思い、自分もブログを書くことにしました。

家族と共に過ごした海外での生活は、毎日毎日が大きなあるいは小さな発見と驚きとチャレンジの連続で貴重な一年間でした。

ブログのネタは尽きず、ほぼ毎日更新しました。

現地の日本人の方にも人気を博し、ローカルながら有名ブロガー？となりました。

お陰で分野の異なる方とも親交を深めることができました。

 

ブログを書くため、いつもカメラを持ち歩き、メモを取り、また隣町のお祭りを見に行くなど、様々な事に積極的に参加するようになりました。

英会話も自信がないなかでの初めての海外生活では、「タイヤを交換しに行かなくてはならなくなったが、何処に行けば良いかわからない」というような小さなトラブルも、よくありました。

そんな時も体験をブログに書くことによって、ストレスを溜めずに過ごすことができました。

帰宅してから1時間、時に2時間ほどかけて執筆します。

当時はブログブームで、海外生活のブログは沢山ありました。

差別化したいと思い、体験だけでなく、ひと捻り気の利いた考察を付けるように心掛けました。

難易度の高いと言われていた、Yahoo！への登録も果たしました。

 

そんなブログでしたが、12月頃、バタッと更新ができなくなりました。

研究で面白い発見をし、残りのわずかな期間で、仮説を証明するための大量の実験をしなくてはいけなくなった事がきっかけです。

午後5時にバスで帰宅して夕食をとった後、車で大学に戻り、11時頃まで実験するという生活になりました。

それと並行して、実験の引継ぎ、帰国と転居の準備も進めなくてはいけません。

ブログネタを考える余裕、書く時間が無くなり、また穴を開けてしまったブログを見るのが憂鬱になってしまいました。

マイナス20度を下回る真冬の体験、アパートや家具を引き払う苦労、マジソンを去る時の悲しさ、日本に帰ってきた時の違和感など、書きたい事はまだまだあったのですが、ブログを開く事はできませんでした。

 

最近、そのブログを見に行き、帰国後にコメントがあった事を知りました。

罪悪感に苛まれました。