詐欺に遭って警察署で事情聴取をされたこと
警察署で事情聴取をされたことがあります。
交番にiPhoneを届けた時、ではなく、
詐欺の被害に遭った時。
10年くらい前のことです。
わが家(僕が設計した)の一階は一部屋になっていて、玄関ドアを開けるとすぐに居間(兼食堂兼台所)という斬新な作りになっていました。
冬になると、玄関を空けるたび、冷たく強い北風が部屋全体に入ってきます。
断熱はそれなりにしているのですが、そんな構造では断熱の意味が無く、
こたつに入って過ごしていました。
せめて玄関の前に風除室があれば...と妻と話し合っていました。
そんな12月の休日、訪問者が...
60前くらいのおじさんでした。
「○○工務店と申します。お宅に風除室を設置しませんか?サイズを測らせて頂いて見積だけでも取らせて頂ければ」と名刺を渡されました。
見積もり額は十数万円だったと思います。
家を建てた工務店が出した額より4割ほど安い。
この額なら..と思い、頼むことにしました。
一部を前金でお願いできないか?と言われ、
○万円渡しました。領収書をもらいました。
年末のある日が公示日でした。
しかし、待てども待てども、誰も来ませんでした。
電話をしてみると、
「お客様のおかけになった番号は、ご都合により停止されております」。
やられた...
○万円を世間知らずな僕の社会勉強代と考え、あきらめることにしました。
格別に寒かったその冬は北風に晒され、寒さに凍えて過ごしました。
そんな事も忘れかけていた6月のある日、警察署から電話がかかってきました。
「○○という男をご存じですか?詐欺の疑いで逮捕しましたが、namjunさんは覚えはないでしょうか?」
その男でした。
そんなわけで、警察署に行き、事情聴取を受けることになりました。
しかし、話を聞くと、僕のケースは詐欺罪を立件するのは難しいとのこと。
容疑者は「工事をするため、家に伺ったけど、留守のようだったので、帰った。後日連絡するつもりだったけど、お金がなくて人が雇えなかったので連絡できなかった」
と言っているそうでした。
「やるつもりだったけどできなかったのは詐欺ではない」ということらしい。
事情聴取を担当した刑事さんも容疑者と同じくらいの年齢でした。
「民事訴訟ならお金を返して貰えると思いますが、容疑者は無一文ですからねえ。まず、工事をどうするのか相談しないといけませんが、どうします?」
「・・・・お金はいいです」
「わかりました。それでは事情聴取書を作成しますから」
と言って、刑事さんはノートパソコンを開きました。
「えっと〜○月○日、私は.....」とワープロ打ちを始めました。
それが遅い。入力が遅い。
内容を話しながらワープロ打ちするのですが、一個一個キーを探しています。
代わりに打ちましょうか?と言いたいのを我慢して30分。ようやくA4一枚(スカスカ)の聴取書ができました。
何しに来たのか?と思いながら、警察署を後にしました。
風除室は今もありませんが、中にドアができました。