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”研究で一番大事な事は工夫すること”

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ヒットエンドランをかけるべき時

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今日は高校野球の練習試合を観戦させてもらいました。

春の大会(予選)が終わり、2カ月後の夏の大会に向かうところです。

シーソーゲームでしたが、双方、ヒットエンドランが多用されました。

見事に決まったケースもありましたが、内野フライが上がり、戻れずにダブルプレーというプレーもあり、まだまだ練習が必要な感じでした。

 

ヒットエンドランとは、「ランナーがスタートし、必ず打者が打つ」という作戦です。

 

この作戦のメリットとしては、次の3つがあると言われています。

ランナーが一塁にいる時、内野ゴロでランナーが二塁で封殺されなくなり、ダブルプレーを防ぐことができる(打者がアウトになっても走者を二塁に進めることができる)

ランナーがスタートを切っているため、シングルヒットで三塁まで、ツーベースヒットで本塁までなど、走者を進めることが出来る。

走者がスタートするため、捕手からの送球に備えて、遊撃手または二塁手(少ない)がベースカバーに入る。そのため、三遊間または一二塁間が広く空き、弱い当たりでもヒットとなる可能性が生まれる。

 

一方、デメリットとしては、

打者が空振りしたとき、単独盗塁の形となり、その場合は通常の盗塁よりもアウトになりやすい。

打者がライナーを打った時は、走者が元の塁に戻れないダブルプレーとなる可能性が高い。

打者は必ず打たなくてはいけないので、ヒット性の当たりを打つ確率が減る。

 

 

ヒットエンドランが選択される一番シンプルな状況として、一死一塁のケースについて話を進めます。

 

打者に普通に打たせて、内野ゴロだとダブルプレーになります。

特に強い正面のゴロでは高い確率でダブルプレーとなります。

守備練習の成果が現れる内野ゴロダブルプレーは、攻撃側を意気消沈させ、守備側に勢いを付けるというように感じるかもしれません。

このダブルプレーを避けるためにヒットエンドランを選択する監督は結構いるかなと思います。

 

選手の中にも併殺打を打つことをすごく嫌がる人もいます。

そのような選手に、内野ゴロゲッツーを気にせずに思いきり打たせるという効果はあるのかもしれません。

 

進塁ということを考えて、叩き付けるようなゴロ打ちをする打者も多いように思われます。

そんな打球は内野の間を向けることは少なく、走者は進んでも、打者はアウトになります。よって、二死二塁となります。

二死二塁になるなら、リスクの少ない送りバントの方が良かったのかもしれません。送りバントであれば、ライナーでのダブルプレー、空振りでの走者盗塁死のリスクが少ないですし、好きなボールを選択することができ、四球出塁の可能性も残ります。

 

そして、二死二塁は得点する可能性が低いケースです。

最低限、その打者は凡打を打ってはいけないのですから。

 

逆に、一死一塁から二人の打者に打たせるのなら、アウト2個の猶予があります。単純に、ツーランホームランで2点入る可能性は2倍以上になります。一死から進塁打(緩い内野ゴロなど)が出る可能性も低くないです。

 

通常、ヒットを打つには内野を抜ける当たり、あるいはライナー性の当たりを打たなくてはいけません。

ヒットエンドランの場合は空振りしてはいけないという条件付きです。

 

ここにも落とし穴があって、そういう打撃はセンター前に抜ける当たりになることが多いのです。

ナイスバッティング!と思いきや、打球の行方には二塁ベースカバーに入った遊撃手がいて、楽々、ダブルプレーとなったりすることもあります。強いゴロがピッチャー真っ正面に行ってもダブルプレーとなります。

 

では、ライナー性の当たりはどうか?打球の方向、角度によっては、そのまま伸びて外野ライナーとなりそうな打球もあり、その時は、走者はスピードを落とすか、ストップして見極める必要が出て来ます。そのため、三塁を陥れることはできず、一死一二塁となります。それでは、普通にヒッティングと変わりません。

 

このようなヒットが出たのは、ヒットエンドランをかけたからでしょうか?あるいはたまたま投手が失投したからでしょうか?そういう考察も必要かと思います。

 

ヒットゾーンを変え、平凡なショートゴロがヒットにすることが、ヒットエンドランの大きなメリットだと思います。

クリーンヒットは打つのは難しいけれども、平凡なショートゴロを打つことなら出来る、投手と打者の組合せの時、最大のメリットとなります。

 

10年以上前になりますが、大会の試合で3点ビハインドの7回裏、一死から四球でランナーを得た後、ヒットエンドランをかけました。サードゴロとなりましたが、二塁送球がセーフとなりました。その回に3点を奪い、9回裏にサヨナラ勝ちしました。一方、1-3の9回表、一死一塁から迷っている間にショートゴロでダブルプレー、試合終了となったこともありました。

 

ヒットエンドランで最悪な失敗は、打てないボールが来て、打者が空振り、走者が盗塁失敗というケースです。

サインが見破られたり、察知されたりして、外角高めのボール球を投げてきた、投手が打者の打てないような投球(切れの良い変化球など)をしてきたことで起こります。

これは監督の責任(とチームの運)ですね。

 

セオリーとしては、投手がボール球を投げたくない時、つまりボールカウントがボール先行の時となります。

2ボール1ストライクから一球外してくるバッテリーはあまりいませんが、1点勝負の時にはわかりません。

困るのは、球が速いor/and変化球の切れが良いANDコントロールが悪い投手です。

 

以上のように、ヒットエンドランは、一気にチャンスを拡げる可能性があるけれども、リスクも大きい作戦だと言えます。

実戦では、「2点差以上負けている状況でのしあい終盤。コントロールの良い相手投手を打ち崩すことが困難で敗色濃厚。」

の時に取るべき作戦だと思います。

 

随分、限定されている感じですが、高校野球はトーナメント戦であり、最後の試合は必ず負け試合です。負けている状況で、勝つ可能性を取る作戦が必要です。

 

なので、練習試合でヒットエンドランの応酬になったわけです。