受験前々日夜の高校受験生とその家族とScanSnap
今夜は妻がいない。
私立高校を受験する長男に付き添って、札幌の私の実家に行っているためだ。
次男と自分の夕食のためにカレーでも作ろうかと買い物をして帰ってきた時だ。
電話が鳴った。妻だった。
「高校の過去問、数学全部、2階にあるからFAXで送って!」
あれほど、やれと言っていた過去問、長男はほとんど手づかずだった。
直前にやるつもりだったと言う。
札幌に持っていくつもりが、大雪で旅程を急きょ早めたドタバタで忘れてしまったらしい。
試験は明後日、時間はない。
タマネギを切るのをやめ、過去問を探した。
FAXは正直、苦手だ。うちの電話機は15年も昔のもので、使いにくい。
妻にFAXの送信手順を確認した。
まず、去年の問題を送ってみる。
問題を電話機にセットし、実家の電話番号を押し、FAX送信ボタンを押す。
ブイーン。ゆっくりと問題は吸い込まれていった。
ところが、「FAX送信中」表示が出たまま、なかなか接続は切れない。
5分ほどかかって、接続が切れた。
平成24年度の2枚目の問題用紙を送ろうとしたとき、電話が鳴った。もちろん妻からだった。「FAX届いたよ」
とりあえず、この電話でなく、携帯にかけてくれと伝えた。
電話機の前で立っているのは、しんどいので、電話機を床に移動した。
2枚目の問題用紙を送った。
しばらく「FAX送信中」表示が出た後、「FAX送信エラー」表示が出て、接続が切れた。
やっぱり、電話がかかってきた。
「紙がなくなって、今、お父さんがFAX用紙を探しているから待って!」
次男に、夕食はコンビニ弁当になることを伝えた。
過去問は5年分。1年分は4枚の両面印刷だ。20枚は送らないといけない。
トラブル無くできて1枚5分でできるか?コンビニに行くのは少なくとも2時間後か。
計算をしていると、電話がかかってきた。
「どうもFAXが壊れたみたい。お父さんが一生懸命取説みてるけど」
長男は過去問諦めるって言っているそうだ。
妻と長男、父そして腹を空かせている次男を救うのは、この私にかかっている。
FAX、スキャン、電話する、送る、印刷する...
スキャン、電話する、送る
スキャン、電話する
スキャン
「ああ、そうか!」
職場のデスクの上にある、あれを思い出した。
過去問をつかみ、車で職場に戻った。
デスクの上でそいつは待っていた。
これだ。ScanSnap
macbookを開き、USBケーブルを指した。
過去問をまとめて入れた。
設定は「両面、白黒、OCRしない」だ。
Scanボタンを押した。
シューシューシュー。
あっという間に20枚の問題はスキャンされ、そしてpdfファイルになった。
高解像度で取り込んだのでファイルサイズは大きい。
DropboxのPublicフォルダに入れ、公開用URLを父宛のメールに入れて送信した。
コンビニに寄り、弁当を2つ買って帰った。
帰ったら、電話が来た。
「印刷終わったよ。ありがとう。」
いやいや、礼ならScanSnapに言ってくれよ。
おしまい。